DX企業へフルモデルチェンジの変革に挑む、富士通の人事戦略

  • 富士通株式会社
  • 理事 総務・人事本部長
  • 平松 浩樹 様

変化を恐れず、覚悟を持って、カルチャー変革を進める

多田:話は戻りますが、「フルモデルチェンジ」で取り組まれている「人事制度改革」の具体的な内容について、お聞かせください。

平松:今回の人事制度改革では、グローバル視点で人材活用が可能な体制に変更します。大きくは「ジョブ型人事制度」「高度人材処遇制度」「新卒・既卒を問わず通年採用」の3つです。

年齢を問わず職務と役割に伴う市場価値で給与を設定する「ジョブ型人事制度」については、本年度中に本部長級以上に先行で導入し、来年度以降、順次対象を拡大する予定です。DX企業になるということは、これまで以上に人材が顧客価値の源泉となるため、人材流出は防ぎたいところです。しかしながら、世の中の人材流動化の流れを止めることはできません。それならば、まず「自社内の人材の流動化」を高め、社員が自分の成長のために、自発的に挑戦する機会を増やす必要があるのではないでしょうか。まずは国内におけるジョブ・ポスティング(社内公募)の機会を拡充し、今後は海外も含めて考えたいと思っています。

また、人工知能(AI)やセキュリティといった分野で高い能力を持つデジタル人材に対しては「高度人材処遇制度」を導入し、場合によっては役員レベルでの処遇もする予定です。社長自ら「覚悟を持って、カルチャー変革を進める」と発信していますが、その言葉の通りです。

多田:人事制度が変われば、求める人材も変わり、そうなると採用したい人材を集める戦略やチャネルも変える必要があると思います。採用活動面での変化はいかがですか。

平松:これまでは自社サイトの採用ページからの応募がメインでしたが、できるだけ採用チャネルを増やし、さまざまな方とお会いしたいと考えています。また、これまでは主に新卒社員で構成されていた組織のため、「キャリア人材が本当に活躍できるのか」と疑問を持たれる方もいるかと思います。その疑念を払拭すべく、キャリア採用で入社した社員が、当社で活躍していることをもっと発信する必要性も感じています。

多田:御社の知名度は高いものの、人事制度変革に対する本気度やそもそもキャリア人材を積極的に募集していることをまだご存じではない方もいるかもしれません。人事制度の変革とともに、採用広報への取り組みを強化していただき、より多くの方に知っていただきたいですね。

平松:はい。人事制度変革の3つ目である「新卒・既卒を問わず通年採用」も開始し、採用機会は大幅に増えたといえます。人事・採用に関する情報発信はさらに強化し、採用成功につなげていきたいですね。

多田:これだけ大改革が起きている人事制度に対し、新卒入社時から今までの長い期間「これまでの人事制度」のもとで働いてきた社員の方はどういった反応をされていますか。

平松:今までのやり方にこだわっていては、時代に取り残されてしまいます。大切なことは、悩んでいるのは自分一人ではないと気付き、前向きに変化を受け入れることです。

昨年度からは360度評価のようなフィードバック制度を取り入れ、メンバーが上司のマネジメントスキルなどを評価するアンケートを導入しました。アンケートの結果は、その上司へ共有される仕組みとなっています。アンケート後にはワークショップも実施しています。マネージャー同士が結果や気づきについて話し合うことで、「変化に戸惑っているのは自分一人ではない」ということを知ってもらい共感するとともに、協力して解決策を生み出す機会にしています。

 

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