ダイバーシティ推進で自律自責型のリーダーを育成

  • 株式会社商船三井
  • 人事部長
  • 安藤 美和子 様

エネルギー輸送のリーディングカンパニーとして130年以上も日本の海運業をけん引してきた株式会社商船三井。多国籍な社員・船員を約20,000名雇用し、グローバルな人材育成にも先進的に取り組まれています。人事部長の安藤美和子氏に、商船三井の人事の現状や今後の戦略について、株式会社ビズリーチの執行役員である酒井哲也がお話を伺いました。
(所属・役職等は取材時点のものとなります)

株式会社商船三井 人事部長 安藤美和子 様

株式会社ビズリーチ 執行役員 リクルーティングプラットフォーム統括本部 本部長 ビズリーチ事業部 事業部長 酒井哲也

個人が自分のキャリアを考え、動く時代に

─安藤さんは入社当時から人事部への異動を希望されていたそうですね。

安藤氏(以下、安藤):商船三井では、毎年1回、人事評価を行っており、その際に、異動希望先を申告することができます。その最初の自己申告で迷わず「人事部」と書きました。

酒井:なぜ、海運業界で多くの社員が希望する営業を選ばずに人事をご希望されたのですか。

安藤:確かに新入社員に希望部署を聞くと、9割は「営業」と答えます。しかし、私は社員のキャリアに責任を持つ人事にやりがいがありそうだと感じたのです。人事の仕事には、配属先やジョブローテーション先の決定が含まれます。人事の采配によって、仕事のやりがいやモチベーションを感じることもあり、そこに私も関わりたいと考えたんです。

しかし、人事部への異動は、希望を出してから15年かかりました。その頃ちょうど管理職に就くタイミングだったので、初めての人事部への異動が、管理職からスタートすることに当初は驚きました。

酒井:人事に異動されて15年ほどたつと思いますが、現在の入社希望者は、過去と比べてどのような変化を感じられますか?

安藤:大きく変わりました。新卒採用でいえば、学生の企業選びの基準が変化しました。彼らは終身雇用にこだわらず、自分が今の環境で成長できないと感じたら転職を考える人も増えてきたように感じます。当社では1990年代初頭に初めてキャリア採用を実施しましたが、その後、2000年頃から毎年、キャリア採用を実施し、現在では、キャリア採用者が全体の20%弱を占めるほどの規模になっています。

以前は新卒者を大量に採用し、育成していましたが、こちらも大きく変わりました。会社が決めたレールに沿ってキャリアを築けばよかった時代から、自分で自分のキャリアを考える必要がある時代になりましたね。多様な価値観を持った社員たちがいる前提で、育成や制度作りに取り組まなければなりません。

酒井:「一人ひとりの個性を見定め、適切なサポートをする」必要があると実感されているのですね。

安藤:私はさまざまな経験ができるジョブローテーションは、育成の観点からも望ましい仕組みだと考えていますが、最近は専門性を高めたいと考える若手も増えてきました。ただ、私は新入社員に「キャリアは8割が偶然の出会いで決まる。まずは受け入れ、ここだと思ったら深掘りしていく。最初から目指すところを決めすぎてしまうと、自分のチャンスや可能性を閉ざしてしまうこともある」という話をよくしています。

酒井:大企業では、ひとつの部署にいるだけでは会社の全体像は掴みにくいと言われています。どれくらいの期間で別の部署に異動するのかを見極めていらっしゃるのでしょうか。

安藤:商船三井の場合は、海外勤務希望の社員がとても多いので、入社して10年以内には一度、仕事や研修で海外を経験してもらい、異文化の環境で多様な社員と働くことの面白さを感じてもらっています。ただ、海外での刺激を受けて「日本に帰りたくない」と思う社員も出てきて、そういった社員を日本に引き戻すのに苦労しています(笑)。

酒井:「日本人は海外に行くことを躊躇する社員が多い」と言われていますが、御社では逆なのですね。

安藤:本当にボーダーレス化が進んでいるな、と感じます。これからはグローバルでみたときに、日本も魅力的な職場だと感じてもらう必要があります。そのためには、日本の「枠にはめられた窮屈さ」を変えていかなければいけないと思います。

 

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