多様性を推進し、「グループ一体経営」を進化させる

  • 東京海上ホールディングス株式会社
  • 人事部長
  • 鍋嶋 美佳 様

日本初の保険会社として1879年に創業し、2019年に140周年を迎えた東京海上グループ。東京海上ホールディングスならびに世界に展開する子会社241社および関連会社25社より構成されており、45の国と地域で幅広く事業を展開しています。2000年以降は、アジア等新興市場でのM&Aを通じたローカルビジネスや高格付けを活用した再保険ビジネスの拡大、さらには、欧米における大型買収を実施。海外事業は今やグループ収益の50%に迫る中核の事業となりました。東京海上グループの経営戦略につながるグローバル化を推進していく東京海上ホールディングス株式会社の人事部長である鍋嶋美佳氏に、2019年からスタートした「新たな人事制度」による社内変革や多様性推進の必要性について、株式会社ビズリーチ代表取締役社長の南壮一郎が話を伺いました。
(所属・役職等は取材時点のものとなります)

東京海上ホールディングス株式会社 人事部長 鍋嶋 美佳 様

株式会社ビズリーチ 代表取締役社長 南 壮一郎

世界の隅々まで 「あんしん」 を届ける「グローバル化」

南:グループの事業別利益の推移を拝見すると、2002年度は3%だった海外事業利益の割合が、現在では50%に迫るところまで拡大しています。海外事業展開に力を入れて取り組まれてきた背景について、お聞かせください。

鍋嶋氏(以下、鍋嶋):東京海上グループは創業以来、戦争や大震災といった幾多の難局をグループの総力を挙げて乗り越えてきました。しかしながら、少子高齢化に伴う人口動態の変化、自然災害の頻発などにより「日本国内だけでリスクをマネジメントするのは難しい」との経営判断から、2008年以降、M&Aによるグローバル化を加速してまいりました。保険会社は「お客様や社会の『いざ』という時を支える」企業です。「世界の隅々まで『あんしん』 をお届けする」ためにも、海外事業の拡大によるリスク分散は重要だと考えています。

南: M&Aによる海外展開が加速するなかで、事業構造も大きく変わった10年だったと思いますが、その変革のなかで働く「社員」にはどのような変化を感じましたか。

鍋嶋:2019年にニューヨークから帰国して感じたことは、日本の若い方の「働くことに対する価値観の変化」です。今の20~30代にとって、「生涯一つの会社で勤め上げる」という考え方よりも、一つの会社でキャリアを積み、そのスキルや経験を生かしてその他の会社や環境に挑戦することがトレンドになりつつあると感じています。また、そのような考え方の広まりとともに、これまで人材活用の前提にあった「新卒を一括採用し、会社で育成していく」という企業の人材戦略のあり方も変化していく必要を実感しています。既に東京海上日動ではキャリア採用を積極的に実施しており、専門性の高い人材だけでなく、業界経験不問で、現場の第一線でご活躍いただく人材の採用にも注力しています。

南: 歴史を振り返ると、実は1980年代までは、アメリカでも「終身雇用」「年功序列」という働き方が一般的でした。しかし、1980年代半ばから製造業の国際競争力が低下していき、成長分野であったサービス産業へシフトしていくなかで、終身雇用や年功序列という働き方が見直され、雇用の流動化が生まれたのです。

当社がサービスを開始した2009年、日本において「雇用の流動化」という考えはまだ一般的ではありませんでした。日本の転職市場は可視化されておらず、多くの企業はハイクラスの採用を人材紹介会社に任せるしかなく、主体的に活動しにくい状況にありました。また、ハイクラスの求職者は、限られた選択肢からしか次のキャリアを見つけられませんでした。そんななか、その当時、アメリカにおいては、ビジネスプロフェッショナルの職務経歴をインターネット上に公開し、企業からのスカウトを直接受け取ることによって、人々が転職する姿を見て、とても驚きました。

「新しい時代の働き方や経営のあり方を支えるインターネットサービスを作れないか」と考えていた私は、「働くうえでの選択肢や可能性を可視化できたら、企業と求職者どちらも、もっと主体的に動くだろう」と確信。その結果が、企業自身が採れる手段を主体的に考え、能動的に実行する採用活動『ダイレクトリクルーティング』」という新しいコンセプトにつながったのです。

 

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