「地域」と「お客さま」へ尽くす、世界一のバリューリテーラーへ

  • ウォルマート・ジャパン・ホールディングス株式会社/合同会社西友
  • 執行役員 SVP CHRO
  • 黒川 華恵 様

世界のビジネスリーダーとベストプラクティスが集まる環境

南:最後に、「人」を大切にする御社の「人財育成」に対するお考えをお聞かせください。

黒川:グローバルの観点でみた場合、日本の人財育成上の問題点は、リスクを避け、若手リーダーの育成にトライしていない年功序列の文化が根強くあることだと感じています。「若手にはまだ早い」と経験もさせず、40代、50代でようやく昇進とともに裁量権が与えられるというケースも珍しくありません。しかし、今の時代、そのスピード感では国際競争で生き残ってはいけないでしょう。

このような文化を変えるため、当社では若手の段階から圧倒的なスピード感で成長を目指せる環境を作ろうと、ウォルマート・グループで作られた若手社員向けの育成プログラムを日本にも導入しました。将来リーダーになりたい若手社員を選考し、2年間でマネージャーを目指すというもので、現在第1期生がスタートしたところです。

当社のようなビジネスは、お客さまとの距離が近い分、アクションに対してすぐに反応やフィードバックがあります。また、店長になれば、ヒト・モノ・カネのすべてをみなければなりません。若手社員が経験を積むのにこれほど最適な場はありません。現に、ウォルマートの経営陣の多くは、若い頃からお店を任される経験をして、小規模な店舗からどんどんステップアップしています。アンビシャスな若手社員には、積極的にこのプログラムに挑戦してもらい、いち早くリーダーとして活躍してほしいですね。

南:同感です。私は大学卒業後、投資銀行を経て、28歳のときにプロ野球チームの球団創設メンバーとなり、スタジアム運営などに携わりました。オンシーズンの「試合運営」は、人員配置の計画やスタッフへの指示、観客の方々とのコミュニケーション、そして片付けまで、現場に立ち続ける仕事でした。あらゆることが同時並行で起きることを想定しながら、念入りに事前準備する点などが、御社の「店舗運営」に似ているように思います。

現場で発生する大小さまざまなトラブルに対し、瞬時に優先順位をつけながら、一つ一つ丁寧にコミュニケーションをとり、解決していく。20代でのこの経験は、私にとってかけがえのない一生の財産であり、現在の会社経営にもつながっていると思います。若いうちから判断が求められる仕事をいくつも経験することが、リーダーシップの源泉となり、成長機会にもつながります。ぜひ、グローバルに活躍する若手リーダーを、御社から輩出していただきたいです。

黒川:それに加えて、中途社員は、その道の「専門家」を採用しておりますので、自分の専門性をベースに、それを徹底的に磨こうという志を支援できるよう、高度な能力開発の機会の提供に、積極的に取り組んでいます。

ウォルマート・グループでは、各国でそれぞれの特徴に応じた施策が複数進んでおり、グローバルレベルでさまざまなベストプラクティスを学びたい人にとっては、この上ない環境だと思います。日本の店舗数は約330店舗ですが、アメリカはその10倍以上の約4,700店舗あり、そこに多くのテクノロジー投資を行っています。今年からは海外との短期間のエクスチェンジ・プログラムも開始したので、さらにグローバルでの学びの機会は増えています。

グローバルネットワークを駆使し、最善な施策を吸収しながらも、日本のビジネスにおいてカギとなるのは、冒頭に申し上げたとおり、地域に密着したバリューリテーラーとして、日本のお客さまにいかに価値をお届けするかです。西友が創業期から培ってきたものを大切にしながら、ウォルマート・グループとして、「地域」と「人」を尊重し、さらに上のステージへレベルを上げていきたいと思います。

黒川 華恵 様 略歴

国内ITベンダーにて基幹業務管理システムの営業、教育、システム導入業務を経験後、日本オラクル株式会社にて人事管理システムの国内企業向け営業、システム導入コンサルタント、教育コンサルタントを担当。その後英国留学を経てGEに入社。GE Corporate Japanにて組織人材開発マネージャー、GE Healthcareにて日本およびアジア・パシフィックの部門担当人事マネージャーとして複数事業部門の組織、人事戦略策定および実行に携わる。その後ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社にて医療機器事業会社の人事責任者として人事業務全般をリードする。2018年3月にウォルマート・ジャパン・ホールディングス株式会社/合同会社西友に入社し、現職。

取材・文:矢野 照三
カメラマン:横濱 勝博
記事掲載:2020/1/30

 

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